
お年寄りのお宅で、手の自由があまり効かなくなってしまい、鍵を差し込んで回すのもサムターンをつまんで回すのも辛い、何かリモコンで開閉できるものをつけたい、という相談。
現在ついているドアの錠を、電気錠というものに取り替えるのが、いわば最も「ちゃんとした」対応ですが、なかなかこれは門外漢の私には手におえません。配線工事が伴うので電気工事士の資格も必要でしょう。
探しているうちに、後付タイプのスマートロックが使えそうだったので、そこで検討することに。
製品はいくつかありますが、今回はQrio Lockを選びました。別売りですがリモコン(Qrio Key)があり、スマートフォンの使えないお年寄りでも問題なく扱えるので。
価格的にも、本体2万円・リモコン5000円ほどのものなので、工務店に頼んで電気錠を取り付けてもらうよりは安上がりかと思います。
取り付け
取り付けは、普通にマニュアル通りに行いました。
Qrio Lockの回転部と、ドア内側のサムターンと、それぞれの回転軸が一致する場所に、両面テープで固定するだけですね。
位置合わせが重要なんですが、なかなか難しい。目印をつけるためのマーカーなど持っておくといいかと思います。
また、今回は取り付けるドアが古かったため、ドアの塗装が劣化していました。
接着用の両面テープに少し厚みがあるので、少しくらいの凹凸は吸収できます。ただ、劣化した塗装の上に貼り付けると、塗装ごと剥がれて落下しそう。
ということで、塗装を剥がす320番のサンドペーパーと、削り屑や汚れを落とせるようにアルコール入りのウェットティッシュを持っていきました。
なお取り付けた後にも、Qrio Lockに手動開閉用のつまみがあり、外から物理鍵での開閉も可能なままです。
スマートフォンで設定
Qrio Lockは、設定にスマートフォンが必要です。初期設定をするのに必須なので、なければ使い始めることができません。
今回はほとんどリモコンだけで使う予定ですが、そうであっても、Qrio Lock本体とリモコンの紐付けにスマートフォンが必要でした。
これは、家族の方のスマートフォンで設定して管理してもらうことになりました。
仮にひとり暮らしのお年寄り宅で、バリアフリー化目的にQrio Lockを使うとして、初期設定をどうするか。今回のようにご家族の方がいればいいんですが、いない場合。
私の持っているスマートフォンで設定するというのも、他人の家の鍵を預かることになってしまって不用心です。
かといって、設定したスマートフォンごと渡してしまうのも、コストがかかるし、使えないからと放置されてしまうと電池などが劣化して故障しそうです。
スマートフォン側に情報を残さず、単純にリモコンとスマートロック本体を紐付けるだけ、という処理ができればいいんですが。
触ってみた感じなど
当たり前ではありますが、ドアの外からでも中からでも、リモコンでボタンを押せば開閉しました。
ドアが鉄製だったので、外からだと開かないんじゃないかと少し不安でしたが、大丈夫でした。
リモコンは開・閉が別になった2ボタン式。1ボタンでトグル動作のほうがいい気もしましたが、どうでしょうね。
ドアの外からは今開いているか閉まっているかはわからないので、1ボタントグルだと「閉めたつもりが開けていた」というようなミスが起きちゃうのかな。
それから、リモコン・本体ともに電池式です。
Qrio Lock本体は、CR123Aリチウム電池2本。動作自体は2本ですが、電池ボックスは4本分あって、自動的に切り替えて動作できるようです。
2本あたり180日が公称値。忘れた頃に切れそうですね。
リモコンの方は、CR2032のボタン電池でした。これは100円ショップとかでも買えるはず。
電池が減ってくると、ボタンを押した後にしばらくLEDが点灯するとのこと。